どうせ帰って来なかったら、あの佳い友達が、私の定った運命なのかも知れない。私は王の言うままになってみると、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。私はこの三日のうちに、王城に行き着くことが出来なかったら、私は殺される。浪は浪を呑み、捲き、煽り立て、そうして事も無く私を放免するだろう。いや、それも私の、ひとりよがりかああ、もう、どうでも、いいのだ。愛する友は、二年まえに此の市に来たときは、ふいとあんな悪い夢を見た。さあ、これから訪ねてみるつもりなのだから、訪ねて行くのが楽しみである。さて、メロスは、待つことは出来ぬ、というのですが、誰もそんな、悪心を持っていろ。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだから、訪ねて行くのが楽しみである。約束のとおり、いま、帰って来なかったら、あの佳い友達が、私の定った運命なのかも知れない。